オーバー ザ ウェーヴス

1974年/2016年再制作
紙 マグネットリング
5.0 × 21.5 × 11 cm

波状を呈した板の上に、その凹凸に合わせるように加工された3本の軸が並列に配される。各軸には1つの素子が備えられ、それぞれが闊達な動きを見せ軸上を往来する。

何もせず、どこにも行かず、ただわずかな音をたてて、往復をくり返すこれらの小さな存在。だがそれを追う私たちの眼が、その動きに慰めの如きものを感ずるのは何故だろう。モーターを働かせるその同じ磁気が、ここでは労働から解き放たれ、たわむれている。磁気にも幼年時代があるのか。
 (谷川俊太郎「hymn」より)